ロケーション特集
映画「レジェンド&バタフライ」サン・ファン・バウティスタ号ロケの軌跡
1月27日(金)全国公開となる東映創立70周年記念作品「レジェンド&バタフライ」。
木村拓哉さんと綾瀬はるかさんの共演で織田信長とその妻・濃姫の知られざる物語を描く感動超大作です。
本作品の1シーンは宮城でも撮影が行われており、2021年秋に石巻市のサン・ファン館内、復元船サン・ファン・バウティスタ号にてロケが行われました。撮影後にサン・ファン号は老朽化により解体されましたが、本作の劇中でサン・ファン号の雄姿をご覧いただけるかと思います!
ぜひ劇場でご覧ください!
「レジェンド&バタフライ」
公開日:1月27日(金)
監督:大友啓史(映画「るろうに剣心」シリーズほか)
脚本:古沢良太(「コンフィデンスマンJP」シリーズほか)
出演:
木村拓哉 綾瀬はるか
宮沢氷魚、市川染五郎、音尾琢真、斎藤工、北大路欣也
伊藤英明、中谷美紀
配給:東映
©2023「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会
公式サイト:https://legend-butterfly.com/
最低最悪の出会いが、時代を変える―
格好ばかりで「大うつけ」と呼ばれる尾張の織田信長は、敵対する隣国・美濃の濃姫と政略結婚する。信長は嫁いで来た濃姫を尊大な態度で迎え、勝ち気な濃姫も臆さぬ物言いで信長に対抗。最悪な出会いを果たした2人は、互いを出し抜いて寝首をかこうと一触即発状態にあった。そんなある日、尾張に今川義元の大軍が攻め込んでくる。圧倒的な戦力差に絶望しそうになる信長だったが、濃姫の言葉に励まされ、2人は共に戦術を練って奇跡的な勝利を収める。いつしか強い絆で結ばれるようになった信長と濃姫は、天下統一へと向かって共に歩み出す。
サン・ファン・バウティスタ号でのロケに至るまで・・・
1)問合せ~制作ロケハン
制作会社の東映京都撮影所から問合せがあったのは2021年6月末。
南蛮船に乗って航海に出るシーンの撮影にあたり、石巻のサン・ファン館内の復元船サン・ファン・バウティスタ号で撮影が出来ないかと当フィルムコミッション(FC)に連絡がありました。
サン・ファン号は東日本大震災の津波被害や腐朽による老朽化のため、2016年以降は船のあるドック棟への立入りが安全性の面から禁止されていました。また解体工事も差し迫ったタイミングでのロケ地問合せに当初は乗船しての撮影は厳しい状況でしたが、大友監督はじめ東映スタッフの皆様より「最後の雄姿を撮影させてください」と熱いメッセージを受け、ロケ実現に向けて関係各所の皆さんのお力添えをいただき、ロケ調整プロジェクトが始動しました。
2)監督ロケハン~ロケ地決定
ロケ受け入れに向けて関係各所が動き出し、2021年7月下旬に大友監督はじめ撮影、美術など各セクションの担当者がロケハンに訪れました。
当初はデッキ上での芝居を想定していましたが、実際にサン・ファン号を隈なくロケハンし、大友監督の創作イメージもどんどん膨らみました! 船上のみならず、船倉内や出航前の港町でのシーンが新たに加わり、サン・ファン号でのカット数が増えました。既に2021年内にサン・ファン号の解体工事の着手が決まっていたため、劇中終盤に登場するシーンではありましたが、クランクインすぐのタイミング10月上旬での撮影を目指すことになりました。
3)撮影準備
物語は戦国時代。当時の南蛮船での航海のシーン撮影にあたり、サン・ファン号及び周辺にはその時代にはない人工物がたくさんあり、また船の至るところに伊達藩のモチーフがあります。また、解体が決まっていた船とはいえ、撮影時にどの程度の造作が可能なのか、また原状復旧が必要な個所はあるのかなどをサン・ファン館及び宮城県へ確認の上、美術・VFX・特機・カメラマン・プロデューサーらが再度現地確認を行い、今回の撮影で船をどのように扱うのかを決めました。
船体の唐草模様と市松模様はVFX・CG合成で処理、船の甲板全体を美術塗装スタッフで塗装し、エイジングが施されました。また、船内の手すり・甲板の空気抜開口は美術スタッフで撤去、復旧不要の方向で調整が進みました。セット設営のための資材や機材を積んだ大型トラックや高所作業車がドック棟に乗り入れ、アスファルト地面に砂をまき、撮影用の桟橋や小屋を建て、船倉内の塗装が行われるなど、撮影に向けたセット設営は約3週間かけて行われました。
地元企業も協力① ヤマニシ
サン・ファン号の建造~設備・メンテナンスを行う造船会社のヤマニシ(石巻市)さんにもフィギアヘッド(船首像)、野外広場の手すり、甲板コンパニオンの撤去及び復旧作業をはじめ、嵐のシーンで水飛沫や雨を表現する為に仮設された貯水プールへの大量の水の供給など撮影に多大なご協力をいただきました。
4)撮影
サン・ファン号の撮影は2021年10月6日~8日の3日間行われ、連日約200名のエキストラが出演しました。東京からのバス移動で参加された外国人エキストラの他、宮城に暮らす在留外国人の方々や、当FC登録のエキストラボランティアの皆さんにも南蛮船の外国人水夫・宣教師・士官・商人、船が出航する港町の行商・人足役などバラエティに富んだ役柄で出演いただきました。
連日の現地集合時間は早朝4:30。その200名を超えるエキストラさんが衣裳に着替え、ヘアメイクを施すのも一苦労。8:00過ぎに「よーいスタート」とカメラを回すためには準備・段取りに多くのスタッフと時間を要します。
ヘアメイク・衣裳に着替えたエキストラの皆さんは控室で待機し、出番となったら船に移動。早朝から夜遅くまで日中との寒暖差もある中、役柄によっては終日薄着の衣装と裸足に草履の出で立ちでご協力してくださいました。
嵐のシーンでは仮設貯水プールからの放水に大型扇風機を当て、横殴りの雨嵐を再現。キャスト、エキストラは皆ずぶ濡れになりながら撮影に臨み、荒波に飲まれながらも異国を目指す南蛮船の迫力あるシーンが完成しました。
「ここって令和の石巻だよね?」
撮影時のサン・ファン号は戦国・大航海時代にタイムスリップしたような別世界が広がっていました。
地元企業も協力② えにしホースパーク
本作品は山形・スタジオセディック庄内オープンセットでクランクイン。その後石巻にロケ地を移動しての撮影となりましたが、庄内から石巻へは劇中に登場する「馬」も大移動!!
石巻ロケ時に馬の休憩や宿泊場所として、えにしホースパーク(大郷町)さんのご協力を頂き、厩舎をお借りしました。
WEB:http://missionpossible.main.jp/02/
5)現在の様子
撮影後、サン・ファン号は2022年夏に解体されました。2022年11月より長期休館に入り、サン・ファン号の後継船のほか、展望棟・ドック棟の展示内容を一新し、慶長遣欧使節を取り巻く歴史や、木造船・帆船文化等を分かりやすく学べるミュージアムにリニューアルされます。(2024年度中オープン予定)。
在りし日のサン・ファン号の雄姿は、「レジェンド&バタフライ」で映画として記録に残り、私たちの記憶にも刻まれることでしょう。
宮城県慶長使節船ミュージアム(サン・ファン館)
今から約400年前に慶長使節ら一行を乗せ、太平洋を往復したガレオン船「サン・ファン・バウティスタ」号の航跡や、慶長使節の歴史等を紹介する博物館として1996年(平成8年)に開館。開館以来、展示の核であった復元船「サン・ファン・バウティスタ」号は2020年3月末をもってその役割を終え、サン・ファン館では2024年度のリニューアルオープンに向けて、後継船と展示の製作準備が進められています。
住所:石巻市渡波字大森30-2
WEB:https://www.santjuan.or.jp/
■「レジェンド&バタフライ」関連企画など
2022年11月9日(水)大友啓史監督・宮城県庁訪問
大友啓史監督がロケ協力の御礼と作品の魅力のPRで宮城県庁を訪問されました。
概要はこちら:https://www.sendaimiyagi-fc.jp/news/20221110/
「レジェンド&バタフライ」ロケ風景パネル&小道具展示
ロケ地・石巻にてサン・ファン・バウティスタ号でのロケ風景パネル、劇中使用された小道具の一部を展示します。映画の世界観に触れてみませんか?
展示場所:イオンシネマ石巻 ロビー
展示期間:2023年1月中旬~2月28日(火)
※展示場所・期間・展示物の内容は予告なく変更となる可能性もございます。
イオンシネマ石巻 ロビーの展示風景
映画公式サイトはこちら