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映画『サンセット・サンライズ』舞台挨拶 レポート
1月17日(金)全国公開 映画『サンセット・サンライズ』(配給:ワーナーブラザース映画)の舞台挨拶が仙台市内で行われました。当FCスタッフも取材に参加。主演の菅田将暉さん、岸善幸監督、脚本の宮藤官九郎さんが語った撮影中のエピソードや映画制作のうら話をレポートします!
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本作の撮影は2023年9~10月、気仙沼市と岩手県大船渡市で行われました。撮影後、宮城には約1年3か月ぶりの凱旋となり、菅田さんは「東北の皆さんに一番見ていただきたかったので嬉しい」と笑顔であいさつ。また、岸監督は「被災地で撮った、被災者の映画を、宮城の方がどう受け取るか緊張しています」と語り、脚本を手掛けた栗原市出身・宮藤さんは「(今まで宮城が舞台の作品をつくっていなかったので)みやぎ絆大使を剝奪されるんじゃないかと思いました」と会場の笑いを誘いつつ、各シーンなどを深堀りするトークセッションがスタートしました。
劇中画は菅田さん作!
映画本編には水彩画調のイラストが登場するのですが、これはなんと菅田さんが実際に描いた作品なのだそうです。
岸監督が「主人公の晋作を一番理解するのはやっぱり菅田さんなので、絵を描きながら色んな思いを落とし込んでほしい」との思いで依頼し、菅田さんは撮影期間中に気仙沼市内を歩きながら「何か分からない謎のたぬきの置物とか、咲いてるあけびがきれいだったりとか。そういうのを練習して描きました」と振り返っていました。
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東日本大震災への思いが込められた 芋煮会のシーン
岸監督が「このシーンを撮るためにつくった映画であり、演出するのにすごくエネルギーをかけました」と話す芋煮会のシーンは、“被災した人”と“被災していない人”同士が思いのたけをぶつけ合った重要な場面。監督自身も涙しながら撮影を見守ったといいます。
宮藤さんは震災から9年の、コロナ禍直前の時期に取材で石巻市を訪れた際、地元の方が「せっかく3月11日が近づいて、皆が注目して“忘れないように”って行動してくれているのに、全国の方が(コロナ禍で)来られない」と残念そうに話す姿が忘れられなかったといい、様々な思いを巡らせたそうです。
宮藤さんは「東北に来て、おいしいものを食べて帰るだけでもいいんじゃないか、と。芋煮会って東北の人ならではのもので、腹を割って話す雰囲気がありますよね。それで自分の中で一番しっくりくる言葉を、このシーンに入れました」と明かしました。
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“被災していない”晋作の思いに向き合う
菅田さんはこの芋煮会のシーンで、晋作のセリフを見て驚いたといいます。
晋作が言葉を荒げた背景として、菅田さんは「もちろん(東京にいた晋作が)震災をないがしろにしているのではなく、晋作にとっては“被災していない自分”と“被災した人たち”の間で、距離感やコミュニケーションをどう取ったらいいか分からないともがき、その中で『僕は未来を生きたいんだ!』と思った時に出た言葉」だったと振り返り、
「どう演じればいいかな・・・と凄く考えて、悩みました」とも話していました。
気仙沼グルメに「おいしかった」連発! 幻のシーンも…
映画『サンセット・サンライズ』を語るうえで、外せないのが気仙沼グルメ!エピソードトークでも「おいしかった」という言葉が何度も聞かれました。
“生レバー大好き人間”だという菅田さんが「『モウカの星(ネズミザメの心臓)』は衝撃的でした。撮影中に居酒屋で見つけて、あのワイルドな生々しさがおいしかったです」と目を輝かせると、岸監督は当初台本の料理は違っていて、宮藤さんに連絡して「ハモニカ焼き」と「モウカの星」を入れた形に直してもらったというエピソードを紹介してくれました。
そして、本編ではカットされた“幻”のグルメシーンも・・・
モウカの星に続き、菅田さんは「ウニが貝殻に載った・・・、やきがぜ!あれもおいしかった。僕、アンテナショップで買いましたもん」と紹介。ところが、岸監督が少し言いづらそうに「すみません・・・やきがぜは映画の中には出てこないんですよ」と明かすと、菅田さんはカットされたことに驚きつつ、それでも「僕らがおいしかっただけです!」とはにかんだ表情に。宮藤さんは「あれは絶対おいしいだろうなって、台本書いてて思ったんだけど~」とちょっぴり残念そうな様子でした。
このほか、「あざら」や「切り込み(塩辛)」といった郷土料理も強く印象に残ったようでした。
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3人からのメッセージ
宮藤さん:
宮城県が舞台で、しかも震災とコロナという2つのシリアスな問題を扱いつつ、ハートフルなコメディに仕立てるという離れわざを頑張った作品です。ぜひ、よろしくお願いします。
岸監督:
僕は父親が宮城県の鳴子温泉の生まれで、父は去年10月に亡くなったのですが、”家族を失う”というところに思うところがあり、色々と思いを込めてつくりました。よかったらご紹介お願いします!
菅田さん:
劇中の通り、色んな所でおいしいものを食べに行ったり、その土地その土地のよさを広めていけるのが映画の良さかと思います。なので、皆さんの力をお借りして、映画の良さを広めていってくれたらと思います。
気仙沼の美しい景観や、豊かな食文化も見どころの映画『サンセット・サンライズ』。
ぜひ劇場で映画をお楽しみいただき、気仙沼で作品の世界観を体感してみてください!
≪作品情報≫
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映画『サンセット・サンライズ』
■出演:菅田将暉、井上真央、中村雅俊ほか
■脚本:宮藤官九郎
■監督:岸善幸
■原作:楡周平『サンセット・サンライズ』(講談社文庫)
■配給:ワーナー・ブラザース映画
■公式サイト:sunsetsunrise-movie.jp
©楡周平/講談社 ©2024「サンセット・サンライズ」製作委員会
≪せんだい・宮城FC 映画「サンセット・サンライズ」特集サイト≫
https://smfc-feature.com/sunsetsunrise/