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映画「サンセット・サンライズ」気仙沼凱旋舞台挨拶レポート

映画「サンセット・サンライズ」の公開から約2か月となる3月15日、ついにメインロケ地・気仙沼市において念願の上映会・凱旋舞台挨拶が行われました!
観賞を心待ちにしていた地元の皆さんが熱視線を送る中、舞台挨拶では岸善幸監督をはじめヒロイン・関野百香役を演じた井上真央さん、気仙沼市出身の女優で本作品では方言指導を担当された小野寺ずるさん、本作品のプロデューサーである佐藤順子さんが作品に込めた思いを語りました。
今回はその舞台挨拶の様子を一部ご紹介します!

(左から)小野寺さん、佐藤プロデューサー、井上さん、岸監督、菅原茂気仙沼市長、気仙沼市観光キャラクター「海の子ホヤぼーや」

上映会と舞台挨拶は午前・午後の2部制で行われ、会場となった気仙沼市民会館には合わせて1,984人の方々が詰めかけました。
午後の舞台挨拶では気仙沼市の皆さんの温かな歓迎ムードの中、登壇した岸監督が「皆さんが日常で目にしている光景は、僕らからすると非常に美しい風景です。また皆さんが日常で食べている料理が僕らには本当においしくて、それをこの映画にたくさん入れました」と作品を紹介しました。
井上さんは「ようやく皆さんに見ていただけるということで、緊張しております」とあいさつ。同じくロケ地となった大船渡市の山林火災に触れつつ「1日でも早く日常が戻り、感謝の気持ちを直接伝えられる機会があればと願っています」と話しました。

作品の注目ポイント

気仙沼の海の幸、山の幸が数多く登場する本作。皆さんがポイントとして挙げたのは、やっぱり“食”でした!
岸監督は見どころとして気仙沼のおいしい料理を紹介したほか、本編で高速なめろう造りを披露した井上さんの包丁さばきを賞賛。「地元の皆さんに負けないほどでした」と太鼓判を押しました。
そんな料理上手な井上さんですが、タコを丸ごと茹でたのは今回の撮影が初めての経験だったそうで「タコって茹でると脚がどんどん丸くなるんですね。すごく貴重な経験だったし勉強になりました!」と笑顔で語りました。

佐藤プロデューサーは企画を立ち上げた経緯について、脚本を手掛けた宮藤官九郎さん(栗原市出身)の「自分が生まれ育ったところの作品をぜひ書いてみたい」という思いからスタートしたと説明した上で、「ふるさとに愛情が込められているシーンはもちろん見どころとしてありますし、この作品については気仙沼市の皆さんにご協力いただいてキャストが役作りをしました」と制作の裏側を紹介しました。

ヒロイン・百香役を通して感じたこと


井上さんが台本を読んで印象的だったのは、作中に度々出てくる「百香が海を眺めるシーン」だったそう。東日本大震災からの数年間、百香がどのような思いで海を見ていたのかをひたすら想像し、自分の人生を重ねつつ考えを巡らせて役作りをしたといいます。
撮影が休みの日には自ら気仙沼市内の大谷海岸周辺を散策したという井上さん。気仙沼市に滞在中、海を眺め続け、「時間が解決するものはほんの些細なこと。寂しさはどんどん深くなる」と思い至ったと明かしました。コメディや笑いの要素が含まれた本作においても「百香の中で深まっていく“寂しさ”は大事に、自分の中の根底として持っておくことを意識しました」と語りました。

気仙沼弁について

「け!」など、特徴的な気仙沼弁を指導したのは、気仙沼市出身で役者業や漫画家、舞台脚本・演出などマルチに活躍する小野寺ずるさん。撮影では監督からOKが出ても、キャストのイントネーションに違和感があれば迷わず指摘するなど、真正面から言葉に向き合いました。
そんな小野寺さんの気合の入った指導を受けた井上さんは、晋作や“モモちゃんの幸せを祈る会”のメンバーらが芋煮を囲んだ場面で出た『さんみぃから、芋煮食べっぺす!』というセリフが難しかったそう。それを聞いた小野寺さんがお手本を披露すると、会場がどっと盛り上がりました。
小野寺さんは撮影を振り返り、「本当にキャストの皆さんが情熱的で、気仙沼や三陸の風景を皆さんで一生懸命つくろうとしてくださったので心を打たれました」と語りました。

地元の皆さんへメッセージ

岸監督:
ずっと地元にいる皆さんにとって、ふるさとの良い所は気づいていてもぼやけてしまうことがあるかもしれません。しかし県外の人からは、東北は本当に綺麗だ、宇田濱は綺麗だ、気仙沼は綺麗だという評価がたくさんありました。皆さんのふるさとがどう映っているか、じっくりと観てください。

井上さん:
この作品にはたくさんの美しい景色、美味しい食が映っていて、こういう景色をずっと守ってきてくださった皆さんに感謝の思いを強く持っています。美しい景色を色んな方に見てもらって、モモちゃんのセリフにもあるように「この町が好きだ」って、皆さんにも感じてもらえたら嬉しいです。また全国の皆さんにも、ふるさとを思えるような作品として届いてほしいと思っています。

小野寺さん:
自分はおじいちゃん、おばあちゃんと暮らしていたので方言がすごく濃い人間ですが、この作品に携わって改めて「方言って面白い。気仙沼弁って躍動感があって面白いな」って思いました。気仙沼の人じゃない俳優さんが演じるというのも、楽しく受け取っていただけたらと思います。

佐藤プロデューサー:
この作品は、ぜひ笑って観てください。全国の皆さんからも反響があった作品で、「あのキャラクターは家の近くに住んでいる人とそっくりだ」という声も多くいただきました。この後、台湾での公開や各種映画祭でも上映を予定しておりますので、この作品の“東北あるある”が他国でどう受け止められているかを見届けたいと思っています。

映画「サンセット・サンライズ」は、一部劇場でまだまだ公開中です!(3月21日現在)
上映館など作品詳細は作品公式ページをご確認ください。 
作品公式ページ:https://wwws.warnerbros.co.jp/sunsetsunrise/

関連情報

気仙沼「海の市」2階 UMI-ICHIホヤぼーやホールで開催中の映画「サンセット・サンライズ」展、
大好評につき会期延長が決定!2025年6月末までお楽しみいただけます。
ロケ地巡りとあわせて、ぜひ足をお運びください!
企画展の詳細はこちら https://kesennuma-kanko.jp/sunsetsunriseexhibition/